【国試の戦術】縦割りで憶えた知識をコネクトしろ!

国試合格を目指すあなた、勉強はかどってますか?
あなたも含めて、医療系国家試験で出題される膨大な内容を、闇雲に勉強している人はいないでしょう。
キチンと得意・不得意分野を科目単位でとらえながら問題解決しているはずです。
もちろんそれでも点数が伸びることは間違いありませんが、国試対策の終盤でもう少し安全マージンを引き出したい、となると、それまでの縦割り一辺倒の勉強方法では、確実に壁にぶち当たります。
今回は、タテではなく、ヨコの勉強法について述べていきたいと思います。
基礎科目と専門科目とのコンボ問題
63歳の男性。健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた。職場で突然倒れ病院に搬送された。重度構音障害と重度左片麻痺とが認められた。発症2日目のMRIを写真に示す。意識状態は徐々に改善し、左上下肢の動きも出現した。2週後にワルファリンカリウムの投与が開始された。この患者の心電図として可能性の高いのは①~⑤のどれか。【第43回(2008年) 問題16 午前】
この問題をみて、
「えっ、脳血管障害なのに、心電図の設問!?」
って思われましたか?
でも落ち着いて考えれば大丈夫。
まず、断層画像から、どの血管が詰まったのか特定しましょう。
基本的な脳動脈の灌流領域は以下の図の通り。

これを設問の脳画像とあてはまると──
中大脳動脈一択ですよね。
中大脳動脈といえば、脳動脈の中でも結構太い血管で、かなり大きな塞栓でないと、ここまでまともに閉塞しないわけです。
──アテローム血栓性脳梗塞ではちょっと考えにくい。
となると、心原性脳塞栓症と考えるのが自然ですし、設問ではごていねいに心電図まで用意してくれているので、推察する手間が省けるというものです。
で、心原性脳塞栓症の発生リスクと最も関連する心疾患は、病理学を勉強していれば、『心房細動』というワードが容易に浮かんできますよね?
あとは心房細動の特徴をあらわしている心電図を見つけるだけです。
心房細動の特徴といえば、
P波の消失とRR間の不整──。
──最終的に、③の正解にたどり着くわけです。
まとめ

いかがでしたか?
一見、難易度の高い問題でも、落ち着いてもてる知識を連動させれば、解けない問題ではなかったですよね。
ただし科目という、縦割りの殻をぶち破らないと、なかなか解けない。
実地問題はこういう問題が多いです。
なかなか1問3点は与えてくれない(笑)。
組み合わせに多く用いられる科目も下にあげておきます。
● 病理学
● ADL
● 評価学
● 物理療法
● 装具学
● 治療学
それから、必ずしも基礎科目を抑えてから、実地問題に取り掛かるのが正しいやり方ではありません。
実地を解いてみて、基礎的な盲点をあぶりだし、克服するやり方もいいでしょう。
自分に合ったやり方でやってみてください。
それでは!

ポケットマスター理学療法士・作業療法士国家試験必修ポイント PT実地問題 2019
-
前の記事
【国試の戦術】自分を変えたければ、なりたい自分をコミットしろ!! 2020.01.05
-
次の記事
新型コロナウィルスの真の危険性。 2020.03.01
コメントを書く