新型コロナ感染症拡大と臨床実習。

いよいよ4月となり、新年度を迎えました。
通常であれば、PTOT学生の臨床総合実習がすでに始まっているのではないでしょうか。
ですが現在、新型コロナ感染症拡大で全国に緊急事態宣言が出た影響で、臨床実習を断っている病院や施設が続出しているとのことであり、養成校側が実習を中止しているケースもあるようです。
あの辛い実習がなくなって、手放しで喜んでいる学生はさほど多くないのではないでしょうか。
どちらかといえば、カリキュラムの遅れによって、進級や卒業への影響があるんじゃないかと不安とともにある方のほうが多いと思います。
そんな中、関係省庁から以下の通達が出されているようです。
学校養成所等にあっては、新型コロナウイルス感染症の影響により実習施設の受け入れの中止等により、実習施設の変更が必要となることが想定される。
『新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校、養成所
(中略)実習施設の変更を検討したにもかかわらず、実習施設の確保が困難である場合には、年度をまたいで実習を行って差し支えないこと。なお、これらの方法によってもなお実習施設等の代替が困難である場合、実状を踏まえ実習に代えて演習又は学内実習等を実施することにより、必要な知識及び技能を修得することとして差し支えないこと。
及び養成施設等の対応について』|文部科学省・厚生労働省
正直、学生受け入れによる院内感染リスクの増大だけは避けたいところでしょう。
ただでさえ通所リハや外来リハを休止する施設が増えてきており、実習どころではないのでは。
それに対して日本理学療法士協会は、学生の安全が第一としながらも、学生間で実習による臨床経験の時間に大きな差が発生しないよう、極力臨床実習を継続するために、養成校に工夫を促しています。
具体的には不足分の実習施設の新規確保や実習時期の変更ですが、前者は現実的にはかなり困難だと思われるので、ほとんどの学校では後者を選択するものと思われます。
──しかし、ここに気になるニュースがあります。
施設自体の経営がショートして、実習地そのものがなくなる危険性があるため、時期をずらしても、施設の実習受け入れはひょっとすると厳しいかもしれません。
もうひとつ。
どれほど学校が工夫をこらしても、実習期間が不足したまま卒業する学生は出てくるものと思われます。
卒後になって、「ふん、コロナ世代が」とバカにされるかもしれません。
しかし、あなたの頑張りで人の評価などは変化していきます。
不本意でしょうが、あなたなりに頑張るしかありません。
それでは!
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