【今日の訪問一景】屋外歩行を制するのに最低限必要なもの。

在宅の現場では、屋内だけではなく、屋外の導線確保を目標にリハビリテーションを行うことが珍しくありません。
対象となる目的地は、診療所や近隣のスーパー、駅などの交通機関などが多いですね。
でもゴールが似たり寄ったりでも、そこに至るまでの障害は千差万別です。
段差、坂、踏切、人、車、本人の体力。。。
それらのハードルをクリアできるかどうかで、セラピストは目的地までの移動が自立できているかの判断をするわけです。
しかし同じ移動でも屋内と屋外では、それら以前に決定的な条件の違いがあるんですが、なんだと思いますか?
──それは側方傾斜です。
いやいや自分の家の前にも車道があるけど、側方傾斜なんかないよーって声が聞こえてきそうですが、まずそんなことはありません。
実はほとんどの公道は、わずかにカマボコ形になっているのです。
理由は簡単、雨天の際に水たまりが車道にとどまらないようにするためです。
上の写真は、片側一車線の幹線ではよくみかける道路です。
どこがカマボコ形かって?
スマホで見ている方は、写真をクリックして拡大してみてください。
そのうえで、道の向こう側にある横断歩道の縞模様をみると──
結構わかりやすいカマボコ形ですよね?
この傾斜によって雨水が側溝に流れやすくなるわけです。
ですが道の端になるにしたがって傾斜がきつくなりますので、歩行者は結構歩きにくい。側溝にフタがなかったら危険度倍増です。
右側にある歩道も特に珍しくないポピュラーなかたちをしていますね。
これもよく見るとわずかに車道に向かって傾斜していて、歩道の雨水も車道の側溝に流れるようになっているのがわかります。
側方傾斜に対処できないと、車道側に流されてしまいますよね。
車いすや歩行器の場合は傾斜に流されないよう、平地以上の筋力と技術が必要です。
どのような補助具を使うにせよ、傾きもチェックリストに入れておかないと、転倒や事故などになってからではシャレになりません。
一度は必ず頼りになる人に同行して確認してください。
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