【症例レポート】考察の書き方その❷

今回は『統合と解釈』との違いについてお話しします。
点と点をつなぐ。

さて──。
スチャラカな学生だった私は、単に初期評価の『統合と解釈』が、最終評価になると自動的に『考察』と呼ばれるものとばかり思っていました。
おかげで最終評価で指導者から「レポートには統合と解釈と考察の両方書いてね」と言われた時は、かなり焦りました(笑)。
バカな私の昔話はさておき──
まず、統合と解釈とは、機能障害を示す検査の数値と動作や行為などの能力低下を【統合】し、障害像を【解釈】する作業です。

当然、評価のたびに統合と解釈が必要です。
統合と解釈が『点』だとすれば、考察は点と点を結ぶ『線』の役割を果たします。
このため、中間評価以降では、考察を行い、現在の治療の正当性を吟味し、目標の修正を行わなければならないんです。
Let’s discussion!!

考察は英語では、
【Discussion】
と表記します。
その言葉通りに、自分が立てたプランが目的(目標)に沿ったものかどうか、ディスカッション【議論】するわけです。
もちろん自論だけではエビデンス(根拠)に乏しくなるため、先人が築き上げた論文や書籍から引用するんです。
しかし結果的に的を射たものだけを取り上げて、あまり効果が得られなかったプランはスルーするのは非建設的。
なぜ効果が上がらなかったのか、その理由と、別のプランを探求しないことには、ズレたプログラムを延々行うことになるんです。
そういう意味で、プラスマイナス両面での考察を、必ず行ってください。
そして、自分の行ったメニューの1つが効果を出した根拠を補強するために、積極的に書籍ないしは論文からのソースを提示するのです。
昔と違って、論文を探すのにはかなり手間を省けるようになりました。
レポート作成の救世主、Google Scholar。
ライブリーな人生を。
治療過程において、考察は必要不可欠な理由はお分かりいただけましたか?
-
前の記事
【症例レポート】考察の書き方その❶ 2019.06.11
-
次の記事
【症例レポート】考察の書き方──その❸(最終) 2019.06.16
コメントを書く