あなたにとって、おカネって何ですか?

あなたにとって、おカネって何ですか?

私が訪問業務に携わってから非常勤の期間も含めて15年になります。

職場環境は病院勤務の時とは劇的に変わりました。

そのひとつが、サービス料金としていただいたお金に触れる事が多くなったことです。

私の場合はあまり違和感なくお金を扱ってきたのですが、先日ある出来事があり、私なりに考えるところがありましたので、この場で述べていきたいと思います。

おそらくセラピスト以外でも、対人サービスをされている方にも他人事ではないと思いますので、どうぞお付き合いください。

 

職場でのある出来事

いつもと変わらない訪問業務の日々——

突然、ひとりのセラピストが私にこう訴えかけてきました。

なぜ自分が利用者からおカネを回収する仕事をしなければならないのか、と——。

 

我々の訪問看護ステーションでは、前月のサービス料金1ヶ月分を次月にいただくシステムを採っていますが、支払い方法は口座からの引き落としか現金かを利用者側に選択していただいています。

ただ、高齢者にとってで現金調達のために銀行まで行くだけでも一苦労。

自然、ほとんどの利用者さんはラクな口座引き落としを選ぶわけですが、一部には、ワシは現金での支払いしかしたくない、という方もいらっしゃるわけで、その場合はスタッフが訪問時に直接いただく段取りとなっています。

前述の彼は、なぜそれをセラピストである自分がやらなくてはならないのか、と言っているのです。

私から説得を試みましたが、彼の言い分は「利用者さんにお願いしておカネをもらうのが嫌だ」「なぜ全員口座引き落としにしないのか」「病院ではそういう仕事は医事課がやっており、本来医療従事者がすることではない」の3点張りで、一向に話が前に進む気配がありません。

最終的に彼は「ではあなたが嫌だと言って拒否した仕事を、別のスタッフに負担してもらうことになるが、それは構わないのか?」と、私に痛いところを突かれ、しぶしぶ気の進まない仕事を行なっていました。

 

人それぞれの価値観

私は彼をギャフンと言わせましたが、それだけでは問題は何も解決しませんので、そのあと彼と場を設けて話し合いました。

そこで彼は少しずつ胸中を吐き出し始めました。

まず彼は、利用者との現金のやり取りが、アタマを下げておカネをおしいただく構図にしかみえず、その行為に屈辱すら感じていたようです。

その発言で、彼は今まで小売業全般を見下していたことになるわけですが、話がややこしくなるので私はツッコミを入れずに黙って聴いていました。

私は、彼が【屈辱】を感じるのは、その行為によるものではなく、彼のおカネに対する考え方によるものだと思うのです。

しかし、おカネの価値観というのは、幼少期の親から受けついだ価値観からも影響を受けており、中には『おカネは汚いもの』として植え付けられていることもあるので、変えていくのはなかなか骨が折れる作業です。

 

私はというと、子供のころに周囲の大人のおカネに対する執着・浅ましさを間近に見て、おカネに対する猛烈な嫌悪が、危うく自分の中でのニュートラルな存在になるところでした。

結局私はおカネを嫌いになりきれませんでしたが、やや潔癖症の傾向にあるため家族に苦労をかけているかもしれませんが。。。

一方で、仕事の上でのおカネというものは、自分に対する【信用のパラメータ】だと思っています。

利用者全てが裕福なわけではありません。

私のリハビリを受けた対価として、収入である年金の中からサービス料金をねん出してくださるのです。

そのお金をまじまじ見るたびに、「自分はこのお金に値するだけのことをしたんだろうか?」と思います。

本当は口座引き落としでもそのように思わなければいけないのですがねw

今では請求書を渡すときに、「安いなあ、ホンマにこんな値段でええんかいな?」と申し訳なさそうに言われるのが、私にとっての最高の誉め言葉になっています。

もしいまだに病院勤務を続けていたら、絶対にそういう考えは生まれなかったでしょうね。

今の道を選んで、本当に良かったと思います。

件の彼にも私の価値観について話したことが共感につながったのかどうかは判りませんが、少なくとも利用者との現金のやり取りを以前のように露骨に嫌がることはなくなりました。

この記事を読んでいるあなたが病院勤務だとしても例外ではありません。

自分が時間当たりどれくらいのお金を生み出しているのかは調べれば分かりますし、自分のセラピストとしての力量がその金額にふさわしいかどうかを判断する材料になるはずです。

 

もう一つ。あなたが足を運ぶ勉強会やセミナーは、単にあなたの知識欲を満足するために存在するのではありません。

あなたに対してお金を支払う利用者の満足度を上げるためであるということを、心に留めておいてください。

 

あなたが受け取るお金は、あなたへの信用そのものです。感謝の気持ちを忘れずにいただきましょう。

 

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