【コミュニケーションスキル】人を動かす極意。

ことば──。
他人との意思疎通の手段に使うツール。
簡単なようでいて、使い方をまちがえれば相手との人間関係を損ねるおそれがあるので難しい。
今までに相手の悪意のないことばでムッとしたことはありませんか?
誰しも一度ならずあるでしょう。
ないという方は、鈍感か、鈍感であることで自分を守っているかのどちらかです。
逆もまた然り。
あなたの他意のないことばが、相手の気分を損ねている可能性は充分にあります。
今までの記事では、コミュニケーション技術のインプット、つまり『聴き方』を述べてきましたが、今回はアウトプットについてイラストを交えながら説明していきたいと思います。
否定命令的な話し方
否定命令的な言いかたは、相手の行動や考え方の問題点を修正する意図で使われます。
ただし文字通り否定的な言いまわしになるため、相手のプライドを傷つけることになり、結果として『修正する』という意図が果たせない確率は非常に高くなります。
にもかかわらず、親が子どもへの指示の出し方にこれが多いのは、どういうことでしょう?
「──しちゃダメ!」
これを聴いた子どもは、なぜダメかを考えるのではなく、萎縮か、納得できず暴れるだけです。
もうひとつ言っておきますが、否定命令的なフレーズは、相手のやる気を削ぐだけでなく、今の行為の失敗率を高めるのに役立ちます。
例えば、水が入ったコップを集中しながら運ぶ子どもに、ついつい「お水こぼさないでね!」と言ってしまいがちです。
しかし、言われた子どもの脳内には『水をこぼす』イメージができあがり、実現率が高くなるというわけです。
あと子ども関連で多いのは「転ばないで!」「走ったら転ぶわよ!」という親の無意味な助言。
転ぶ転ばないは発達途上の子どもにはどうしようもないこと。
そこへ追い打ちをかけられた子どもって、面白いように転びますよね。
本当にそばで聞いていて、「わざと言ってるの?」って思ってしまいます。
肯定命令的な話し方
上の挿絵は失敗例みたいになっていますが、実は前項の【否定的命令形】と比較するとまだマシなんです。
例えば「勝手に──しないでください。」のところを「──する場合は私に声かけしてくださいね。」と言い換えると相手への聴こえ方が柔らかくなります。
さっきのコップを持った子どもの場合は「その調子でママのところへ持ってきてね♡」と肯定命令形に置き換えると、『ママのところへ持っていく』イメージになりますので、成功率が上がります。
依頼文をつけて伺ってみる
「今から──してもらって(依頼)よろしいですか?(質問)」
私個人は仕事で最も頻繁に使う形式です。
「──してください。」の肯定命令形よりもさらにお願いしている感じとなり、押し付けるような印象はグッと減ることは間違いないですね。
まどろっこしく思われるかもしれませんが、実際に私はこの方法で相手とトラブルになった経験はありません。
仮定で伺いを立ててみる。
「もし──なら(仮定)助かるんですが、やってもらえますか?(質問)」
さらに相手にしてほしいことを仮定にするというまどろっこしさ。
でもこの形式は角が立たないだけでなく、相手のやる気を引き出します。
この形式での要点は、「うれしい」「ありがたい」「助かる」といった、こちら側のプラスのメッセージを入れること。
これを入れるだけで、相手は「自分がこうすれば相手は喜んでくれる」と思い、意欲的になれるんです。
まとめ
以上、人を動かすコツを話しましたが、後半2つを使ったからといって、あなたがうまくいく保証はありません。
と怒られそうですがw、私なら否定命令形でも肯定命令形でもうまく使いこなす自信はあります。
何が大きく影響するかわかりますか?
以前にコミュニケーションの記事で紹介したメラビアンの法則なんですが、
❶言語チャンネル───7%
❷準言語チャンネル──38%
❸非言語チャンネル──55%
つまり、抑揚や強弱などの準言語チャンネルと身ぶりや表情などの非言語チャンネルの両方だけでコミュニケーション全体の93%は相手に影響を与えるわけです。
でも私は準言語・非言語チャンネルさえマスターしてしまえば、他は何を習得しても無意味といっているんじゃありません。
言いたいのは、準言語・非言語チャンネルを適切に使用しながらでないと、今回の後半2つを使ったからといっても誤解されるおそれがあるといいたいのです。
依頼的質問形&仮定的質問系という言語チャンネルと、コントロールされた準言語と非言語があれば、もう鬼にマシンガンです。
恐れるべき何物も存在しません。
人にものを頼むのが苦手、という方。ぜひお試しあれ。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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