【理学・作業・言語】各ライセンスの近未来を予想する❷

【理学・作業・言語】各ライセンスの近未来を予想する❷

前回はリハ三兄弟、末弟の言語聴覚士の独自性と希少性についてお話ししましたが、今回は理学療法士と作業療法士の近未来についてお話しします。


理学療法士と作業療法士、需要的に軍配があがるのはどちら?

理学療法士と作業療法士とは?

理学療法士と作業療法士は、今から50年以上前に国家資格となった、歴史的にはいわば双子のようなもの。

厚労省が行う需給分科会では、理学も作業もいっしょくたに供給過多になる、と言われています。

──しかし私は、今後は理学療法士ではなくと作業療法士に需要的な分があると見ています。

訪問看護の現場にいる私の体感ですが、ちゃんと理由があります。

理由をのべる前に、理学療法と作業療法の定義について、目を通してみてください──。

「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主として その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作 業を行なわせることをいう。

理学療法士および作業療法士法より

理学療法士、作業療法士にあるもの・ないもの

理学療法士が座る、立つ、歩くなどの【基本的動作能力】の回復を目指すのに対して、作業療法士は食事、排泄、家事などの【応用的動作能力】と地域参加、就労就学などの【社会的適応能力】の回復を目指します。

だからといって、理学療法士は基本的動作能力のみに専念し、応用的動作や社会適応能力は無視していいということではありません。

患者の「社会復帰」を目指す以上、理学療法士もそれらの能力向上のために介入することがほとんどです。

逆に、作業療法士も然りで、応用的動作能力にアプローチするにあたって、患者の基本的動作がどの程度のものかを評価できなければならず、場合によっては能力アップを図らないといけません。

少なくとも現場では、基本的動作能力の改善をかたくなに行わない作業療法士を私は1人としてみたことはないですね。

訪問業務では、作業療法士に分があり!

さて、法律的に明確に線引きされているのが理学療法士の『物理療法』と作業療法士の『精神科リハビリテーション』です。

ですが、消炎鎮痛処置の一部である物理療法が、一疾患まるごとのアプローチとつりあいがとれるとは私には思えません。

訪問業務では『精神科訪問看護』の算定要件からして、保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士の訪問によるものとされており、理学療法士は一切タッチできません。

しかも精神科疾患への在宅での自立支援のために、訪問看護の活躍が期待されている一方で、物理療法の需要がゼロに等しいため、私なんぞは理学療法士でありながら、

「もういっそリハ部門は作業療法士と言語聴覚士だけでもいいんじゃね?」

──と思ってしまうくらいですから、全国の訪看ステーションの管理者で、同じことを考えている人は少なくないはずです(震え声)。


まとめ

需要が最もあるのは言語聴覚士!

というわけで私の独断により、三職種の中では言語聴覚士が「引く手あまた」であると決定しました。

まあ予想通りでしたね。

ただ、言語聴覚士の記事のくだりでも述べたように、現時点での需要は、圧倒的な売り手市場と、際立った独自性ゆえということを、肝に銘じておきましょう。

最終的には個人のスキルと人間力が需要を左右する!

さて、うかうかとしていられないのは、兄貴分の理学・作業療法士ですが、大事なのは、需給バランスが逆転するとまでに、何をなすべきか、ですよ。

『ひたすら研鑽し、個の技を磨くのみ──』

それ、ファイナルアンサーですか(溜息)?

ちなみにその道を選ぶのであれば、何年も何年も技を極め、その道の大御所の覚えもよくなり、自分が全国から講義を求められるレベルまで、お金と労力をかけ続けなければなりません。

ま、それもひとつの方法かもしれませんが、私が言いたいのは、今後責任がともなう仕事を嫌がらず、とにかく運営に関係する仕事を誰よりもすすんで首を突っ込んでいくこと。

その中で、医療保険や介護保険などのリハビリの報酬について勉強していきましょう。

その経験が、あなたの身を助けるはずです。

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