プロ意識ってなんだろう?


先日、いつもの習慣でニュースの時間にテレビをつけてみると、旅客機の副操縦士が規定を大幅に超えたアルコールが検出され、イギリス当局に逮捕されたと報じられていました。
素人目にみれば、「何百もの乗客の命を預かり、常に墜落というリスクをはらんでいる旅客機で飲酒運転とは何事か!!しかも日航はあの墜落事故から教訓を得ていないのか!!」
と、糾弾されるでしょうし、それに対して反論の余地など1ミクロンすらありません。
たしかに、巡航時はオートパイロットで安全に飛行できるとはいえ、多くの命を預かっているというプロ意識が欠落していたと言わざるを得ませんし、会社側の社員教育のあり方までを疑われても仕方ないでしょう。
酒関連であるエピソードを思い出しました。
私がまだ30歳になろうかという頃の病院勤務時代の話です。
ある土曜日──
いつもどおり、朝のミーティングで同僚をふと見やると、顔から冷や汗をしたたらせ、顔面も蒼白でした。
明らかに尋常な様子ではありません。
心配になって本人に何事かを聞いてみると、昨日の居酒屋で痛飲し、二日酔い状態とのことでした。
私の眉間には、すでに深いシワが刻まれていました。
横で様子を見守っていた後輩PT君は、フォローのつもりだったのでしょう、結果的に火に油を注ぎました。
「いやあさすが〇〇先生、これだけ二日酔いでも職場にだけはやってくる。すごいプロ根性ですね!」
私も理学療法士という仕事柄、よくこの『プロ根性』とか『プロ意識』について、自らに問いかけることがあります。
──が。
どれだけ職場に迷惑をかけまいと重い身体を引きずってこようとも、控え室でくたばって動けない状況にプロとしての意識の片鱗すら感じないのは私だけでしょうか。
プロ意識
自らの職務を至上最優先とし、その遂行に全身全霊を傾けること。
つまり、後先を考えずに酒に溺れている時点で、私に言わせればプロ失格なんです。
なにも酒に関わることだけではありません。
ざっと世間を見わたしてみても、自分の仕事を大事にしていないひとが目につきます。
かといって、私の流儀を押しつける気もありませんので、その人に説教をする気もありません。
そういう人は、放っておいても、客から、会社から、社会から必要とされなくなるでしょうね。
──あなたはどうですか?
前述のように『プロ意識』をはき違えていたのであれば、この機会に正しく上書きしませんか。
あなたがどのような職業であれ、プロ意識をもって仕事をしている限り、常に必要とされる存在であり続けると思います。
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