「国家試験まであと○日」という考え方の人、合格難しいです。

こんにちは。
2021年も9月に入り、朝晩はかなり過ごしやすくなってきました。
来年、国家試験の合格をめざしている受験生は、日々勉強されていることでしょう。
ちょうど2022年2月20日の理学療法士・作業療法士国家試験まであと160日。
この「国試まであと○日」といういい方は、受験生の間だけではなく、学校の教員がよく使うフレーズです。
でもちょっと待ってください。
私はこの「日数」での捉え方、国試対策の計画を立てるうえでは非常に危険だと思っています。
なぜ危険なのか、どうすれば合格につながる計画を立てられるのかを、今回はアドバイスしましょう。
なぜ「残り日数」での捉え方では失敗するのか

私は冒頭で「あと160日」と述べましたが、160日と聞いて、あなたは心がふるい立ったり、危機感から行動にうつそうという気がおこりますか?
これが「あと30日」だったら、モチベーションアップにつながりますが、160日だと逆に安心から、モチベーションがダウンしてしまう危険性があるんです。
確かに、160日って時間的に長いのか短いのか、今ひとつピンとこないですよね。
なぜかというと、中長期的な目標を立てる場合、「日」という単位は、尺度としては細かすぎるんです。
日数という尺度でとらえるデメリットはというと──
- 残り日数が差し迫らないと、なかなか危機感が発動しない
- 目先の計画になりがちで、目的がぼやけてしまう
- 視野がせまくなるため、結局は時間が足りなくなってしまう
などなど、メリットよりもデメリットの方が多いですね。
「日」ではなく「週」の尺度で計画を立てよう

そもそも残り1日✕160の計画を緻密に組み立てても、どこか1日でも破綻すればすべてがパーになってしまいますし、私にいわせれば、その計画に費やす時間と労力があるんなら、筋の起始停止のひとつでも覚えろよといいたい。
受験勉強のプランニングを行う場合、最適なのは「週」という尺度。
「週」のとらえ方だとザックリしていると思われるかもしれませんが、逆に「週」の尺度で考えた計画の方が、目標を達成するための手段としては明確であり、想定外の出来事にも流動的に対応できるというメリットもあります。
ちなみに160日という期間を週で換算すると21週弱。
どうですか?
こっちのほうが数字的に実感がわきませんか?
ただ、現時点で習慣目標を20程度しか設定できないので、今から計画的に、かつ急ピッチでやらないと、間に合わない計算になります。
週間目標の内容としては、どの分野を攻略するかを、具体的に示しておくのが理想です。
月間目標も設定しよう

月間目標は、模試の目標得点を設定するのがベター
週間目標が短期ゴールとすれば、中期ゴールはもちろん月間目標となります。
月間目標の内容は、模擬試験の点数を設定すると良いでしょう。
たとえば、「9月末に受ける医歯薬模試は170点取る」といった内容です。
別に新しい模擬試験じゃないとダメなわけではなく、解くのが初めてなら模試や国試の過去問でもOKです。
無理のない月間目標と、それを達成するための理にかなった習慣目標があれば、日々何をすべきかが明確になってくるんです。
月間目標に到達しなかった場合は、すぐに次の計画の修正を
思い描いていた通りの結果を残せなかった場合でも、そこでジ・エンドではありません。
なぜ到達しなかったのか、何が足りなかったのかを冷静に評価し、迅速に次月の計画と目標の修正に取り掛かりましょう。
動揺したり、できなかったことをクヨクヨ後悔するだけ時間のムダです。
これだけはやってはいけない!

勉強を進めるにおいて、私自身の失敗経験から、絶対に避けてほしいことを列挙していきます。
もちろんすべてではないんですが、それはまたの機会に述べるとしましょう。
無謀な目標設定
これは序盤でやらかす失敗です。
なぜ序盤で多いかというと、最初からハードルを高く設定しておけば、中盤以降の進行がラクになるという見通しというか、もはや願望ですね。
ですがあえて塾長の立場としていわせていただくと──
身の程をわきまえなさい。
──これに尽きますね。
計画や目標を立てたからといって、あなたの脳ミソのポテンシャルがいきなり向上するわけではないんです。
身の丈にあわない非現実的な目標など、達成できないだけでなく、モチベーションの低下につながりかねません。
自分で達成可能と思われる目標設定をし、達成できることで大きな目標に近づいている実感を感じることは非常に大事なんです。
それがメンタルを前向きにし、勉強への姿勢を積極的なものにしてくれます。
挫折を味わう目標なんて、百害あって一利なしです。
といって、楽勝すぎる目標も、これはこれで問題なんですけどね。
各科目を100パーセント覚えきるまで固執する
世の中にはいろいろな人がいます。
たとえば、分野ごとの勉強を完璧にマスターできるまで次の分野に頑として進もうとしないイシアタマとか。
カンペキな記憶なんてほぼ不可能に近いですし、可能としてもものすごく時間がかかるでしょう。
そもそも国家試験って、何割取れればよかったんですか?
意固地になって詰め込もうとせずに、80パーセントできれば良しとする程度でいいんです。
まずは、やると決めた範囲すべてを網羅することを優先して、取りこぼした分は後で回収すればいいだけのことです。
睡眠時間を削る
効率の良い勉強のためには、適切な目標や計画よりも、良質で充分な睡眠です。
夜遅くまで勉強し、次の日の能率を下げるなんて、本末転倒もいいところ。
能率を下げるだけならまだマシで、体調まで崩してしまっては、もはやシャレになりません。
自己管理できない受験生なんて、合格うんぬん以前の話。
最低でも睡眠に7時間確保するようにしましょう。
まとめ

今回は、時間のとらえ方の尺度によって、意識と行動がまるで変わってくるという話でした。
1日1日を大事に勉強に費やすことは大事ですが、それだけだとあっという間に時間が過ぎてしまっていた、なんてことになりかねません。
常に全体を見わたす視野の広さを持つようにしてください。
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