団塊ジュニア以下の現役世代がジリ貧にならないために──

みなさん、『団塊ジュニア』という言葉をご存知ですか?
団塊ジュニアというのは、いわゆる『団塊の世代(1947〜1949年生まれ)』の子どもの世代にあたる、1971〜1974生まれの世代で、
団塊の世代=第一次ベビーブーム
団塊ジュニア=第二次ベビーブーム
と考えても差し支えありません。
私もこの団塊ジュニアの世代にあたります。
団塊の世代といえば、この世代が75歳以上の後期高齢者になる『2025年問題』がよくメディアなどで取り沙汰されていますが、私はもっと深刻な事態が団塊ジュニア以下の現役世代に降りかかってくると予想しています。
今回は「団塊ジュニアをはじめとする現役世代にまつわる問題」にスポットライトを当てて自論を展開していきたいと思います。
団塊ジュニア世代の歴史
学歴競争至上の時代

昭和50年代──
今とはかなり違い、街にはシルバーカーを押す老人ではなく子供がかけまわり、当時ガキンチョだった私などは、空き地で野球をしたりゲームウォッチを友達と交換したりして遊んでおりました。
今となっては信じられないかもしれませんが、その頃は、一学年に10クラスの小中学校はザラにありました。
当然、学年ごとの数が多いということは、高校・大学受験競争の加熱を意味します。
バブルへの憧れ

昭和60年代になり、団塊ジュニアたちは少しでもよい大学を目指すことで、社会に出てからのアドバンテージを得ようと躍起になります。
自分たちの先輩たちが就職して、ブランド品やクルマを当然のように手に入れるのを羨望のまなざしでみていた私には、この社会がこのまま続いていくものと信じ、自分も先輩のあとに続くものと疑いもしませんでした。
就職氷河期の到来

団塊ジュニアが大学生になったあたりから、ニュースでバブル崩壊が伝えられるようになりますが、すぐには不景気を体感することはありませんでした。
しかしそれほど時を待たずに逆風の厳しさを思い知ることになります。
1993年あたりに大学で就活をしていた学生は、前年までの『常連就職先』が自分の代には跡形もなくなり、呆然としたという話はよく聞きました。
このあと長い間、就活生は氷河期にあえぐことになるわけですが、この時期に団塊ジュニアが定職につけなかったツケが、あとあとになって回ってくるのです。
幻となった第三次ベビーブーム

前述した通り、バブル期までの就職戦線には心強い順風が吹いていたのですが、バブルが弾けるやいなや逆風が吹き荒れることになり、多くの団塊ジュニアが正社員としてスキルを向上させ、みずからの付加価値を上げる機会を失うことになるのです。
努力が実って正社員になれたとしても、不況のあおりで倒産、リストラによって職歴を中断させられた人も少なくありません。
しかもそのころは格差社会が鮮明となり、いわゆる「負け組」に対する支援はおざなりの状態でした。
──こんな状況で、しかも先行き不透明では結婚・出産どころではありません。
理由については諸説ありますが、事実として、第三次ベビーブームは到来せず、少子化に歯止めがかかることはありませんでした。
そして現在──
団塊ジュニアの苦境は低収入だけではありません。
彼らの両親である団塊の世代はそろそろ要介護状態となり、介護者である子どもの身体的な負担が増大します。
身体的負担だけでなく、介護サービスや施設入所などでますます経済的な負担がのしかかることになります。
こうして老後の蓄えを築く時間は、刻一刻と目減りしていくのです。
今後の社会での高齢者の風当たりはどうなるの?
後期高齢者の医療負担にもついにメスが!!

現在では75歳以上の後期高齢者が医療機関などで支払う自己負担額は1割ですが、自民党から、次の様な提案があるのをご存知ですか?
「また役所がが弱い者をいたぶろうとしている」
と、息まく人が出てきそうですが、私に言わせれば──
湿布しかばら撒かないような、愚にもつかないエセ医療は、とっとと値上げしろや!!
と言いたい。
団塊の世代が後期高齢者となって、ますます医療費が社会保障を占める割合が危機的になろうというのに、
じゃあお前らいつ値上げすれば文句言わないわけ?
とも言いたい。
いずれやらなければならないのなら、もう観念して早いうちにやるしかないんです。
ただし、子どもの医療や、高齢者でも生命を維持するために絶対に必要な医療については手厚くする──
これでいいと思うんですよね。
日本人が総現役時代へ──

みなさん、『一億総活躍社会』という言葉を聞いたことはありますか?
一億総活躍社会とは
若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
官邸ホームページより一部引用
私なりに要約すれば、
「何歳になっても楽隠居できると思うなよ、みんなとっとと働いて税金納めんかい!」
という社会づくりのことですね。
今のように、「定年で隠居」のシステムでは、間違いなく立ち行かなくなるんです。
内閣府は、2025年には15〜64歳と65歳以上の比率が、2:1を切ると試算しています(高齢社会白書より)。
現役世代にそれほどの負荷がかかってしまっては、ますます「少子化」に拍車がかかってしまう。
そもそも上の世代を下の世代を養うという考え方を変えていく必要があると思うんです。
ギリギリのところまでは世代のことはその世代で支える意識が必要かと。
『少子化』は喫緊の課題
先日、麻生副総理が、

と、少子高齢化問題について発言し、国会で野党から吊るし上げられていました。
いやあ、漢・麻生太郎先生は素晴らしい!
何気なしに描いた彼の絵が、これほど何回も役に立つとは思いませんでした(笑)。
あの人以外が言うとムカつくのに、私はあの人の発言というだけで、なぜか許せてしまうんです。
いっそシビレます♡
ですが、確かに増えた年寄りを減らす(怖)のは不可能ですが、子どもを作るのはすぐにでも可能なわけです。
──でもそれがうまくいかない。
前述のように第三次ベビーブームもやってこなかった。
だから政府としては、もっと適齢期の人間が子どもを作りやすい社会づくりに舵取りをするべきだと──
ところが麻生さんは、説明が不足している上に、マスコミから都合のいいところだけ切り取られたものだから今回の騒ぎに。
麻生さんも麻生さんだけど、野党もあげ足取りに税金を浪費せずに、少子化についての建設的な提案でもしてほしいものです。
現にもう日本人は減少しているんですから。
年金は今後どうなる?

われわれの老後の生活を支える年金──
私も含めてその額について、気にならない人はいないでしょう。
しかし支払う人ともらう人の、人数のバランスはすでに崩れているんです。
下のグラフの下の方にある緑の▲の折れ線グラフをみてください。
単純にこれが年金を支払う人と支給される人との割合と考えると──

2017年現在で、年金世代1人に対して現役世代2.2人が年金をまかなっていることになり、団塊ジュニアが年金世代になる2035年の予測値では、1:1.7という、かなり無理のある状態になるわけです。
こんな環境では、ますます子作りどころではなさそうです。
貧困により生活保護を受ける高齢者が激増!
人によって差はありますが、65歳から支給された場合の1人当たりの国民年金の額は──
6.5万円/月。
これでは悠々自適な老後生活をエンジョイできません。
最近では年金に見切りをつけて、生活保護に移行する傾向にあるようです。
そりゃそうでしょ、だって6.5万じゃムリだもん。
ちなみに独り暮らしの高齢者の場合、1ヶ月あたりに支給される生活保護費は13万円。
倍額です。
社会保障費をひっ迫すると分かっちゃいるけど、最低限の衣食住を充たすためには生活保護に切り替えざるを得ないのが現状なんです。
老後のジリ貧を回避するために──
社会保障は最後の手段と考えろ!
「なあんだ、いざとなったら生活保護って逃げ道があるんじゃん♡」
って思っている人、年金も生活保護も元をたどれば同じ財源ってわかってますか?
ここで気になるニュースを紹介しましょう。
「政府資産の存在を考慮すれば、国の借金は不安をあおるためのフェイクニュースだ!」
とおっしゃる方もおられますが、でも借金自体は存在もその額も事実です。
さらに次の要素も認識する必要があります。
● 人口は減少しており、国力は先細りとなる
● 現在の社会保障システムが維持されているとは限らない
そもそも次の世代に負債を残さないために、社会保障に頼る(予算を食いつぶす)のは最後の手段にした方がよさそうです。
とにかくスキルを身につけよう

私がまだ小学生だった昭和50年代──
私は伯母がこたつで100円ライターを作っているのを、その横でよく手伝っていたものです。
昔はお金の稼ぎ方が、非常に限られていました。
そして現在はスモールビジネスがネットの中に無数にあり、お金の稼ぎ方も様変わりしています。
極論すればパソコンとネット環境があれば、収入を得ることも可能です。
クラウドソーシングやソーシャルコマースなどのサイトをみれば、需要は無数にあり、自分の特技を活かして収入にすることもできます。
「いやいや俺にはやっぱり無理。。。」
──と、自分に見切りをつけるのは簡単でしょう。
でもこのまま手をこまねいていても、極貧の老後生活は待ったなしなんです。
なによりカラダは資本!

できるだけ長く働くには、健康を維持することが大事なのは自明の理。
そのためには誰にても訪れる、『老化』について理解しておくことが重要です。
❶予備力の低下
❷防御力の低下
❸回復力の低下
❹適応力の低下
平たくいえば、少しの不摂生で簡単に『不健康状態』になり、復旧にも日数がかかるようになってきます。
毎日の習慣で重要なのは、不摂生の戒めと『貯筋』ですね。
まとめ

今回はかなりシビアなテーマでしたが、決して誇大に盛っているわけではありません。
いつまでも国の保障にぶら下がるつもりでたかをくくっていては、働かざるを得ない社会状況になってしまっていて、働きたくても術もなく、体も動かないなんて状態になりまねません。
団塊ジュニア世代ももちろんのこと、現在40歳以下の世代も、今よりも国力が低下した状態で老後を乗り切る準備を始めるべきです。
むろん、高すぎる目標からではなく、手に届くところからでいいんです。
ロープレゲームに例えると、レベル1の状態なら、打倒スライムから目標を立てていきましょう。
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